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シェムリアップ・スラーソー製造所視察

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2019年6月、東南アジアで泡盛を作る会(仮称)のみなさんと一緒にカンボジア・シェムリアップで、スラーソー(白いお酒の意味)づくりの視察に行って来ました。

カンボジアのスラーソー製造所は、スラーソーだけでは経営が成り立たないため、養豚業との兼業が多い。スラーソーを蒸留した後に残る醪(もろみ)を豚の食料として再利用するためである。蒸留する場所と豚の飼育場は隣接しているため、ハエなどが多く衛生的だとは言えない。あるスラーソー屋では、ハエがたくさんたかったお米に麹をまぜている光景も目の当たりにした。


5つの製造所を巡ったが、そのうち1軒目の酒質が良好だった。また他のところでは蒸留後、すぐ割り水をして飲みやすい度数まで下げていたが、この製造所では、原酒と割り水したものの2種類を販売しているようであった。もちろん原酒のほうが、アルコール度数は高いもののまろやかで、ほのかにいい香りもした。ここのスラーソーは水道水で醸造しており、ハエも多いのだが、主の技術が高いのであろう。


また3ヶ所目は案内してくれた方の親族が保有している土地を視察したついでに、近隣の製造所を案内してもらったのだが、比較的清潔な環境でスラーソーを製造していた。また井戸水で仕込みをしているため、水質によっては良質なスラーソーが製造できるのではないかと感じた。ここのスラーソーの味は上記のものとほぼ互角である。

残りの3ヶ所のスラーソーはかなり上2つの製造所に比べ、刺激臭があったり、酸味があったりするようなもので、品質的には劣る。しかし最後に訪れた製造所には、主の甥が20代後半で日本語をしゃべることができるため、人材的には魅力がある。

またプロジェクトメンバーは、初日にスーパーをまわり、スラーソーの品質向上の魁である、浜野充氏主導のプロジェクトである、スラータケオ(武王)を入手し、ベンチマークとした。スラータケオは、アルコール度数40度、25度のスラーソーとタマリンド味のものを生産しているようだ。価格は500ccで40度が8.5USドル、25度が6.5USドルとスラーソーの数倍する。

味的にはよくまとまっているが、私たちが訪れたスラーソー製造所の上位のものも遜色はない。
衛生面を向上させ、良い水を使って、スラーソーを作れば、スラータケオを凌駕するものを製造することは可能であろう。

ただし僕の経験でしたが、上位スラーソー製造所のスラーソーでも、たくさん飲んでいくうちに、だんだんと暗い気分になった。これは不純物が多いせいか理由はさだかではないが、蒸留方法や濾過方法で改善が期待できる。琉球泡盛のように飲めば飲むほど、体が軽くなり自然と踊り出すような酒をつくってみたいと改めて感じた。

スラーソー製造所を回って感じた価値
・1軒目の名人の作るスラーソーはなかなかうまい
・設備はどこも原始的なもので、直火蒸留
・水道水でこれだけつくるのはたいしたものだ
・場所によっては井戸水もある
・近くにクーレン山があるので伏流水があるかも
・麹はとうもろこし麹、酵母は不明
・名人は獣医でもあり向上心があり、日本に行って勉強してもいいと言っている

スラーソー製造所を回って感じた改善ポイント
・米が蒸し米ではなく、炊いたお米
・屋外で麹とあわせているため、ハエがたかる
・仕込みも鍋に蓋をしたもので、屋外で行っている
・蒸留も屋外で、冷却水が溜水のため汚い
・蒸留後の保管は、プラスチックのケース
・販売も再利用のペットボトルでおこなっている
・ラベルなし
・貯蔵して古酒にする発想はない

そしてプロジェクトの今後、決めていかなくてはいけない課題は次の通りです。

今後の課題
・優良造りスラーソー屋と協業か自力構築か
・昔ながらの直置き設備を導入するか最新設備を導入するか
・仕込み水は水道水か井戸水か
・貯蔵庫を建てるか、その大きさはどうするのか
・電気代が高い地域では、発電設備を導入するべきか
・沖縄での泡盛修行をお願いできる酒造会社があるか
・黒麹菌でうまく米麹が作られるか
・熟成に適した南蛮甕が存在するか

今月中に沖縄のメンバーが、泡盛の酒造会社に協力してもらえるかどうかお願いしにいくとのこと。
いい方向に進展すればいいなと思っています。

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